板書

元旅人の過去帖。きっぷを通じて想い出を振り返る。

経路入力:誤り

大月発 分倍河原行きの出札補充券です。

f:id:Itabashi_I17:20190326174343j:plain


経路はこんな感じ

大月-中央東-東京-新幹線-品川-横須賀線-武蔵小杉-南武-分倍河原

新幹線経由なので大都市近郊区間は外れ、101キロ以上なので途中下車も可能となります。

ふつうに浮かびそうな経路ですが、この切符、マルスでは出すことができません。何故なのか。

 

皆さんは旅客営業規則第70条というものをご存知でしょうか?抜粋するとこんな感じ。

旅客が次に掲げる図の太線区間を通過する場合の普通旅客運賃・料金は太線区間内の最も短い営業キロによって計算する。この場合、太線内は、経路の指定を行わない

よくわからない方もいると思うので、太線区間をご紹介。

f:id:Itabashi_I17:20190326175036g:image

出典:JR東日本:旅客営業規則>第2編 旅客営業 -第3章 旅客運賃・料金 -第1節 通則

 

つまるところ、この区間内を通り抜ける時はどんな経路指定しても運賃は最短経路で出すよというルールです。マルスシステムも当然、これに従って運賃計算をします。

どんな経路を指定しても最短経路で、ね。

 

今回の場合の最短経路は

-中央東-新宿-山手-品川-横須賀線

となります。

さて、お分かりでしょうか。

最短経路に新幹線が含まれていないのです。

今回の場合、新幹線を介さなければ大都市近郊区間を外すことはできません。

 

 

このような場合、マルス最短経路で運賃を算出しようとするも、最短経路に新幹線が存在しないため、エラーを吐いてこう表示するのです。

  • 経路入力:誤り

 

 

重箱の隅をつつくようなこの乗車券、当然といえば当然なのですが、出札係員の認知度はかなり低いです。なんならマルス指令ですら認知していないこともあります。

超万能なマルス、しかしながらもこうして穴が出てきてしまうのはもう仕方ないと思います。悪いのはこういう切符を使おうとする我々なのですから。